【Profile】
Daisuke Kimukimu(ダイスケ キムキム)
1998- 静岡県浜松市生まれ
2020-武蔵野美術大学油絵学科版画専攻 卒業
2020-武蔵野美術大学大学院版版画コース 在学中
銅版画やイラストレーションで角(カド)のない
作品を制作し続けている。
――いつから美術に触れていますか?
幼稚園の頃から絵画教室に通っていましたね。中学生の時は、受験をして美術専門の高校に入り、デザインを専攻していたので、高校3年間は、美術の生活を送っていました。そこから武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科に進学。空間デザイン科(空デ)の中には、4つの科があって、その中で一番興味を持ったのがファッションだったんです。空デとは、ファイン系とデザイン系をミックスしたような学科です。
――今の活動に繋がっているきっかけはありますか?
きっかけは......大学二年生の武蔵美での芸術祭ですかね。芸術祭では、一人でグッズを販売したんです。"乳乳"というショップを行って、スウェットをシルクスクリーンで作りました。イラストとかも並べて、小さな個展のような感じです。その出来事がきっかけで平面の世界に行きたいなぁって気持ちが強くなっていったんです。芸術祭がきっかけで、大学3年生の時に版画専攻に転科しました。
――版画専攻に決めた理由を詳しく教えて下さい。
元々、空デの課題で立体を作っていたんですが、平面への憧れもありましたし、空デでは、やり尽くした感というのもあって。これからの事を考えた時に平面をやりたいと思いました。後は、大学で技法を学びたいって気持ちもあったので、版画って決めましたね。そこからは、2年間版画を学びました。
――作品のモチーフはありますか?
作品のモチーフは、武蔵野美術大学に入った一年生の時から、一貫して守ってるテーマがあるんです。それは、“角をなくす”という事です。作るモノの中で自分の中でルールみたいなものがあって、その頃は自然と自分で決めていたので、自分でもどのタイミングでこの考えに至ったんだろうって思ったんですけど......。それが、モチーフですかね。その集大成が卒業制作にあります。
――どうやって作品を作っていきますか?
展示の作品を作る場合は、どんどん物を作っていって、そこからどうやって配置していくか決めていくんです。なので、展示方法は後で考えるか、同時進行に考えながらやっていくと上手く行く感じ。これが出来たから、これも作ろうって。どんどん作品同士が連鎖していって、作品を作ってる間に、じゃあこういう展示が出来るなぁ。とか......。最初から固め過ぎずに作っていく感じです。銅版の場合は、形をカットして型をとりあえずいっぱい作って、一発勝負で描いていく感じですね。下書きとかはせずに。
――インスピレーションは必要ですか?
大事だと思いますけど......。このような質問をインスタの質問などで、かなりの確率で頂くんですけど、毎回迷っていますね。人の作品を見てインスピレーションを受けるっていうのは、かなりリスキーって感じがしてしまうんです。上手くそれを自分の中で消化できる人ならいいんですけど、上手く処理できずにそのままの母体で書いてしまう事もあるのかなぁっと思ってしまいます。今の情報社会だとしょうがない事なのかも......。とも思うんですけど、そうゆう気持ちは持ちつつ、インスピレーションは大事だと思っています。
――インスピレーションは、どこからもらってますか?
自分中心で考えていますね。例えばですが、映画とかです。自分の生活で見た物です。自分の目をちゃんと信じたいなぁっていうのがあります。この質問もいつも悩みます......。
――苦労はありますか?
全てセルフプロモーションでやっているので、自分で宣伝もするし、POPUPで販売するグッズも自分で包装しています。僕は、現在全て自分一人でやらないといけない段階なので、この事には、皆さん気付いてないんだろうなぁ。っと思います。僕は、結構楽しみながらやってるんですけど、周りの作家活動してる友達とかを見ると、"見えない努力” や、世に出た物の後ろ側のような部分に、苦労はあるのかなとは思います。
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